【第5話】一人で背負った大会運営の地獄

【第5話】一人で背負った大会運営の地獄

3月。
正直に言うと、この月の記憶はあまり鮮明じゃない。

理由は簡単で、
余裕がなかった。

地域主催大会という現実

この大会は、
「出るだけの大会」ではない。

  • 地域主催
  • 持ち回り運営
  • グラウンド当番あり
  • 審判派遣あり
  • 本部対応あり

つまり、
試合をする側でありながら、運営側でもある。

週初め、分かった現実

名簿を見て、頭が真っ白になった。

審判を出せる人がいない。
本部を任せられる人もいない。

——正確に言うと、
当日やれるのが自分しかいなかった。

「どうする?」ではなく「やるしかない」

誰も悪くない。
協力的じゃないわけでもない。

  • 別の審判講習
  • 仕事
  • 家庭の事情

全部、理由として正しい。

だからこそ、
「誰か来てくれ」と強く言えなかった。

OBと知人に頭を下げる

スマホを握りしめて、
連絡を入れた。

  • OB
  • 昔の野球仲間
  • 個人的な知り合い

「急で申し訳ないんだけど…」

この言葉を、
何度口にしたか分からない。

成立した。でも、心は削れた

結果的に、
大会は成立した。

審判も揃った。
試合も回った。
大きなトラブルもなかった。

外から見れば、
**「普通に終わった大会」**だったと思う。

でも、内側は違った。

一番きつかったのは「誰にも見えないこと」

この日の一番きつさは、
肉体的な疲労じゃない。

  • ずっと気を張っている
  • 失敗できない
  • 誰かに頼るのが怖い

それを、
誰にも見せられないことだった。

「父母会長って、こういうことか」

この日、はっきり分かった。

父母会長って、

  • 仕切る人でも
  • 偉い人でもなく

最後に残る人なんだ。

家に帰ったあと

家に帰って、
座ったまましばらく動けなかった。

「今日、何が一番大変だった?」

そう聞かれても、
うまく答えられなかった。

言葉にすると、
全部こぼれてしまいそうだったから。

それでも、やめようとは思わなかった

不思議なことに、
この日「辞めたい」とは思わなかった。

ただ、

ああ…
これは、想像してたより重いな

そう、静かに思っただけだった。

次回予告(第6話)

4月。
Instagramを続けていた先に、
思いがけない出会いが生まれる。

この物語で初めて、
「やっていてよかった」と思える出来事が訪れる。

続きを読む(第6話)

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